歯の動かし方と治療期間に関して
2018年1月28日
歯の動かし方と治療期間に関して
こんにちは、まなべ矯正歯科クリニックの真鍋です。今回は皆さん気になっているであろう、矯正治療の期間に関してお話したいと思います。できるだけ図解したいと思います。
矯正治療の期間は治療の方法、患者様の協力度、個人差など様々な要因がかかわるため、おおよその期間をお伝えしています。
しかし多くの場合は
①歯を抜かない治療の方が、治療期間は短いことが多い(6か月~18か月)
②歯を抜く治療は歯の凹凸が強い方や、前歯を下げたい方には有効であるが、治療期間はやや長め(18か月~36か月)
と説明しております。
しかし、実際は歯を抜く、抜かないに関わらず、歯の動かし方が治療期間に影響することの方が多いです。
今回は同じ部位の歯を抜いた場合でも「治療期間に差が出る」といったことに関してお伝えしたいと思います。
まず上の図を見て下さい。上顎の歯列ですが、1番から7番まで左右に番号をふっております。
前歯を下げる場合は多くの場合、前から4番目の歯を抜くことが多いです(右図)。
その場合、前方の前歯チーム(緑)と後方の奥歯チーム(赤)に分けられ、抜歯した隙間は7mm~9mm
程度のスペースができます。矯正治療ではこのスペースをいかに利用していくかが重要です。
左右の図を比べてみて下さい。動き方が違うと思います。(隙間は8mmと仮定します。)
左図の動かし方は緑チーム4mm後退、赤チーム4mm前進と、前歯と奥歯でお互いにスペースを潰しあっています。
右図の動かし方は緑チームは8mmの後退、赤チームは動きなし、前歯を後退させる事だけでスペースを消費しています。
このように、抜歯したケースでも「どの歯をどこまで動かすのか?」で大きく治療期間は変わってきます。
上の図だと左図の動かし方よりも、右図の動かし方は2.5倍くらい治療期間がかかるのではないでしょうか?
しかし、その分大きく前歯を下げることも可能となります。
今回はあくまで、説明用なので、実際の動きはもっと複雑ですし、個人差も大きいです。ただ、なぜ治療期間が変わってくるのか?といったヒントにはなったのではないでしょうか?
まだまだ、寒い日が続きますが、皆さん体調に気を付けてお過ごし下さい。
まなべ矯正歯科クリニック
真鍋 智宏